最近インターネットの記事を読んでいたら、非常に興味深いアーティストを見つけました。
福原志保さんという方です。
福原志保|Shiho Fukuhara
バイオアーティスト。ロンドンのセントラル・セイント・マーティンを卒業後、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートのインタラクティヴ・デザイン在学中に発表した「Biopresence」で注目を集める。フランス外務省給費生としてパリ滞在、パレ・ド・トーキョー「Le Pavillon」参加後、2004年Georg TremmelとともにBiopresence社とアーティスティック・リサーチ・プラットフォームBCL設立。2014年からは導電性デニムのテキスタイルを開発する、Google ATAPとリーバイスによる「Project Jacquard」に参加。2015年から2016年にかけて、BCLとして金沢21世紀美術館で展覧会『Ghost in the Cell:細胞の中の幽霊』を開催した。亡くなった人のDNAを樹木のDNAに保存するというヴィジョンを世に問い、自宅のキッチンで遺伝子組み換えの青いカーネーションを増殖させ、iPS細胞を使って人工的に作り出した心臓の細胞に、ヴァーチャルなアイドル「初音ミク」のDNAを組み込む──。稀代のバイオアーティストによる刺激的なアクションは、常に賛否両論を巻き起こしてきた。彼女は今日も世界中を飛び回りながら、わたしたちの倫理への問いかけをつづけている。(http://wired.jp/waia/2017/05_shiho-fukuhara/)
彼女が行っている活動の詳細は、引用先の記事を読んでいただくとして、
僕が彼女の活動に共鳴したのは、
DNAを用いて、作品を作り上げ、
世の中に発信を続けているという点でした。
亡くなった人のDNAを樹木に保存するというビジョン。
IPS細胞を使って人工的に作り出した心臓に、初音ミクを組み込む。
発想がとんでもなくて、作品を見てみないと正直理解不能ですが、
彼女のやろうとしていることは、何となくわかります。
それは、おそらく「死」に対する挑戦でしょう。
DNAを保存しておけば、肉体は滅んだとしても、
その人物の「存在」というものは、この世の中から消えない。
僕はそこに、AIが加わる未来を想像しています。
AIとDNAの組み合わせで何が起こるか
僕が想像している未来は、例えばこんな感じです。
・自分のDNA情報が、インターネットを通じて、他の場所へと送られる。
⇒何らかのデバイスを用いる事によって、DNA情報をもとに、空間にもう一人の自分が現れる
⇒AIを組み合わせると、別の空間にいる自分が、全く自分の意見や考え、表情や喋り方を再現してくれる
※これにより、移動することなく、空間、時間の概念を超えて、もう一人の自分が、何かしらのプログラムされた作業を行ってくれる
※そこで、もう一人の自分が得た情報は、もとの自分に埋め込まれているAIに常に送られて、さも自分が体験したかのように、記憶に残る
だから、これからはもう、パーマンのコピーロボットみたいなものが、
いくらでも作れる、いくらでも存在させられる状態になると思うのです。
おそらく、人間の肉体的な寿命は、そこまで延びないかもしれませんが、
同時進行で、複数の自分が体験や単純な作業をこなすことによって、
今までの人類が、一生をかけて行った作業が、何十倍、何百倍のスピードで、
しかも、一人の人間によって行われる時代が来ると思うのです。
これはもう、寿命が何百倍に延びたことと、同じことになります。
僕は、AIとDNA情報と、高速インターネットの進化により、
このような時代が来ると思っています。
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死んだおばあちゃんとも話せる
DNA情報とAIの組み合わせにより、
亡くなった人のDNAを保存しておけば、
既に肉体的には無くなっているおばあちゃんとも話せるようになると思います。
保存されているおばあちゃんのDNA情報をもとに、
AIが自己学習して、どのような考え方で、
どのような姿をして、
どのような声のトーンで話すかを決定します。
そしたら、後は先ほどみたいに、空間におばあちゃんを出せば、
会話が可能になるのではないかと思うのです。
福原志保さんという方は、既にDNAやIPSの技術を用いて、
過去や、死という概念を覆そうとしています。
倫理的な問題などで、批判を受けている側面もあるみたいですが、
僕は、彼女の活動、それをアートとして、表現して、
世の中に、疑問、課題を投げかけている姿に、感動したのでした。
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