こんにちは加治雄希です。今回は北野武監督の映画「アウトレイジ最終章」について語ってみたいと思います。
「アウトレイジ最終章」は北野監督のアウトレイジシリーズ3部作の最後。
本当に最終章でした。
1作目のアウトレイジをワン、2作目のアウトレイジビヨンドをツー、3作目のアウトレイジ最終章をスリーと書きます。
僕はやっぱりワンが好きでした。
引用元;https://eiga.com/movie/55127/
あらすじは、ビートたけしさん演じるヤクザの組長が、やっかいごとを幹部から押し付けられて、むちゃくちゃをするという内容。
ざっというとこんな感じです(笑)
出演者に特に印象に残る人が多かった。
まずは椎名桔平さん。
引用元;https://twitter.com/alfalfafafa/status/635948963535818752
ビートたけしさんの組が、邪魔な組に喧嘩をふっかけるんです。
その時に対応したのが椎名桔平さん。
この髪型。オールバックでもなく、角刈りでもないこの髪型。
リアルです。
そして、「持ってけって言ってんだろ、バカヤロー!」
このセリフひとつで、僕はもう、ワンを観た甲斐があったと思いました(笑)
とにかくかっこいい。一瞬で怒りをマックスに持っていって、ブチ切れて怒号を浴びせる。ワンではこのシーンを50回くらい見直しました(笑)
それからこの方もよかった。森永健司さん。
何せワンでは、ビートたけしさんの組の組員のほとんどが死ぬんです。
この人の散り様は素敵だった。
そして坂田聡さん。この人はお笑いグループジョビジョバの人です。
一見ヤクザには見えないこの感じ。リアルです(笑)
そして、ビートたけしさんの組の組員が、殺される時の描写がひどいもんで……。
目をそらしてしまう時もありました。北野監督の暴力の最高潮がこの映画といっていいかもしれない。
そして2作目
引用元;https://ch.nicovideo.jp/outrage
あらすじは、ビートたけしさんが刑務所にいって、出てきてもうヤクザやることに嫌気がさしてるのに、警察に利用される。関東、関西の大きな組の抗争をたきつけられて、またむちゃくちゃするという内容。
とにかく、ワンもツーも、裏で権力が動いていて、自分たちの手を汚さずに、利益を得たり、敵対する者同士で争わせて、勢力を維持するという、本当は深いテーマがあるんです。
でもこのツーでも印象に残ったのが、この二人。
西田敏行さん、塩見三省さん。
引用元;http://cinetri.jp/news/outragebeyond_making/
この3人のかけ合いは、50回くらい観ました(笑)
西田敏行さんと塩見三省さんは大阪のヤクザの幹部。
「花菱とケンカになったらどう落し前つけるんじゃい!」
「いてまうど、こら!」
ワンでの椎名桔平さん。そしてツーでのこの関西ヤクザの二人。
もうそれだけで観た甲斐がありました(笑)
そして、最終章。
引用元;https://natalie.mu/eiga/pp/outragecoda
あらすじはというと、ビートたけしさんはもう韓国マフィアに助けられて、かくまわれていたんです。でも最後に、世話になった東京ヤクザ。面倒に巻き込まれた原因の関西ヤクザ。
とにかく、恨みが残っている奴らを片っ端から復習していくという内容です(笑)
正直観た感想では、ワンやツーのような切れ味はありませんでした。
そして、暴力描写が極端にマイルドになっていた。
出演者にも、特筆すべきかっこいい人はおらず、少し残念でした。
おそらく、スポンサーが付きすぎて、北野監督がむちゃくちゃ出来なくなったのでしょう。スポンサー絡みの出演者も多くいると思います。
なので、かなり不自然です。
しかも関東も関西も、なぜか日本の韓国マフィアを異常に恐れているし、韓国マフィアの力が桁違いにすごいんです。
なんだか、日本は韓国に牛耳られているような描き方で、腑に落ちませんでした。
これも、テーマがあって、現在の日本では、実際の暴力団が分裂や、警察の壊滅作戦によってかなり弱体化しています。
一般市民は、日本からヤクザが減ってくれれば安心だと思うでしょう。
しかし、必ず、ある一定以上の割合で、暴力を使って利益を上げようとする集団は発生するんです。
日本のヤクザの力が弱まれば、当然海外から、正体不明のマフィアが入ってきます。
警察は暴力団の構成員や、車のナンバーは完全に把握しています。
でも、海外から入ってくるマフィアを知るわけがない。
そして、海外のマフィアは、事が済んだら、実行犯を海外に逃がすでしょう。
その国が日本と捜査協力をしてくれればいいですが、そんな国はほとんどありませんし、警察が海外で操作するのは非常に困難でしょう。
だからこの最終章は、ビートたけしさんが、恨みをはらす爽快アクションではなく、これからの日本の裏社会を少々暗示しているのかもしれません。
そうなっていく日本を見たくない。
そんな北野監督の想いが伝わってきたような気がします。
やはり、ワン、ツー、スリーと連続で観ないと面白くない作品です。
しかしながら北野監督が、70代になって、このシリーズの監督、主演、脚本、編集を担当するというパワーがすごい。
僕もまずは脚本から、見習っていきたいなあと思ったのでした。